足の疲れ、冷え、むくみの原因
誰でも一度は足のむくみを感じたことがあるのではないでしょうか?
足がむくんでしまう原因はさまざまですが、どのような事が原因でむくんでしまうのかまとめました。
同じ姿勢
立ち仕事や座った状態など同じ姿勢を維持すると足がむくんでしまいます。立った状態の場合は重力の関係で血液が心臓に戻りにくいため、血流が悪くなったり座った状態が続くことで血行が滞ってしまい、むくみの原因となる可能性があります。
手足の冷え
冬の寒さ以外でも、手足の冷えを及ぼす可能性はあります。夏場でも冷房などの影響で手足が冷えてしまいます。手足が冷えると血行が悪くなります。
手足が冷える原因にはエアコンなどの他にも、冷たい飲み物を飲み過ぎたり、カフェイン飲料なども体が冷える原因となります。
また、カフェイン飲料は利尿作用があり、血管内を通る血液の水分やバランスが悪くなる恐れがあるので、場合によってはむくみの原因を作り出してしまうことも考えられます。
食事の影響
塩分の多い食事を摂ると血液の中の水分が増えて血管の外にしみ出して足がむくみやすいと言われています。また、塩辛いものを食べることで喉が余計に渇き、必要以上の水分を摂ってしまうので注意が必要です。
バランスの良い食事を心がけましょう。
ホルモンバランス
自律神経のバランスが崩れると血流が悪くなるなどむくみの原因となります。自律神経が崩れる原因には、ストレスや冷え、生理前や更年期などが挙げられます。
また睡眠も大きく関係するので、寝不足が続かないように生活習慣を整えましょう。
足トラブルに効くツボ
体にはたくさんのツボが存在しています。足にトラブルが起こった時は、足のツボを押すことで効果が期待できます。
足の冷えやむくみを解消したい時や、疲労が溜まった時にすぐに対策できるように、あらかじめツボがどこにあるのか確認しておきましょう。
陰陵泉(いんりょうせん)
膝から下の内側には太い骨がありますが、その骨の内側を下からなぞり上げて指が止まる窪み部分が陰陵泉です。
足三里(あしさんり)
足の疲労やむくみなど様々な効果が期待できる有名なツボです。足のお皿から外側に向かって指4本分をおいて小指が当たる部分にあるツボが足三里です。胃腸の調子を整えてくれる効果も期待できます。
承山(しょうざん)
足がむくんだ時や疲れた時に効果的です。つま先立ちなってふくらはぎの中央をアキレス腱に沿って上に指をなぞるとへこんだ場所があります。そこが承山というツボです。足がつってしまった時や腰痛時にも使用するツボです。
湧泉(ゆうせん)
だるさや足の冷えに効果が期待できます。足をグーの状態にして、足底のかかと部分から指先方向に指をなぞらせて指が止まるへこみの部分が湧泉のツボになります。足裏を3等分した時につま先側の3分の1あたりにあります。体内の水分コントロールによく使うツボです。
お灸の効果
お灸は年配の方に親しまれていますが、近年ではお灸の効果が若い人にも人気です。お灸にはどのような効果が期待できるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
血行促進
お灸によって皮膚がゆっくりと温められ、血行が良くなります。リンパや血管が刺激され流れがスムーズになるのでむくみ解消に役立ちます。
肩こりや腰痛の緩和
お灸には肩こりや腰痛などを改善してくれる効果があります。肩こりは筋肉が固まった状態で血液の流れも悪くなっている可能性があるので改善が見込めます。
お灸でそれぞれのツボを温めてあげることで症状が和らぎます。
心地良い熱が感じられることでリラックスすることも重要です。
免疫力がアップする
温められることによって血液やリンパの流れが促進されるだけでなく、熱の効果で細胞の働きがより活性化すると考えられていることから、より免疫力が高まる効果が期待できます。
体調を整えてくれる
体には多くのツボがありますが、血流が悪くなると体がだるい、むくみやストレスなどの症状が体に現れやすくなります。お灸で体を温めることによって全身の血液の流れも改善されるので、この様な体調不良が軽減されます。
痛みを和らげる効果
お灸に含まれるシネオールの成分は殺菌・消毒効果があり炎症を抑えてくれます。お灸の原料であるもぐさを燃やすことにより、成分が皮膚を介して痛みのある箇所に作用します。
リラックス効果
シネオールの成分は炎症を抑えるだけではなく、気持ちを落ち着ける鎮静効果も得られます。お灸をしてリラックスするのは、もぐさに含まれる香りの成分のためです。
自律神経を調整してくれる
お灸をすることで自律神経を整えてくれる可能性があります。
自立神経は内臓の働きや呼吸、ホルモンバランスの調子を整えることに深く関わっています。
またお灸にはリラックスを促す効果もあるので、自律神経を整えてくれる可能性があります。
お灸のやり方
お灸を行う時は目的のツボを丁寧に探すようにしましょう。
的確なツボ部分にお灸を置くことで体や施灸箇所が温められます。それがちょうど良い刺激となって症状が緩和していきます。
今回はセルフでお灸をするにも比較的に安全なシールで施灸できるタイプをご紹介します。
1.お灸を置きたいツボを丁寧に探します。ツボが見つかったら見失わないように、ペンなどで軽く印をつけておくなどの工夫をすると、スムーズにお灸をすることができます。
2.裏側の薄い紙をはがし、粘着部分を露出させます。
3.お灸の原料であるモグサ部分に、ライターなどで火をつけます。
4.火がついて煙が軽く出始めたら、ツボのある箇所にお灸を置きます。
5.お灸を置いたらしばらくそのまま安静にしましょう。
6.皮膚が温まって、赤みがでたら終了です。
ライターは火傷を防止するためにも火が出る部分から手元が遠いものをなるべく選びましょう。
また、お灸を置いてから熱が入ります。
はじめは加減がわからない場合が多いので、熱いと感じたらすぐに取り外せるようにしておきましょう。
お灸をするときの注意点
お灸に馴染のない方や、初めての方は分からないことが多いかと思います。
お灸は火を使うので注意事項を守らないと火傷をしてしまうこともあります。
お灸を行う時は必ず準備を整えて、注意事項を守りましょう。
回数
お灸を何回も行えば早く効果がでるというものではありません。1日1回や目安を決めてやりすぎに注意しましょう。また入浴や食事前後の30分~1時間はお灸は避けましょう。
体の中で変化が起きている時なので、注意が必要です。
ツボ
欲張ってたくさんのツボにお灸をおくのはやめましょう。体にとって熱は刺激そのものです。
ちょうど良い刺激量でなければ効果的な結果は得られません。
そればかりか、正しい効果が得られな位だけでなく、体に負担がかかってしまい逆効果になることがあります。1回で2ヶ所から3ヶ所くらいのツボを選択するようにしましょう。
火傷に注意
お灸を行う時は火傷に注意です。汗をかいたり皮膚に水分が残っていると火傷をして水疱ができてしまうことがあります。また熱いと感じた時も無理は禁物です。すぐに外すようにしましょう。
また灰皿や水を含ませたタオルを用意しておくと便利です。
準備をしっかり整えてからお灸に火をつけるようにしましょう。
体調と相談して行う
毎日続けることも大切ですが、その日の調子を考えてあげることも大切です。
お灸は体調不良やむくみなどを改善してくれますが、疲れやむくみがいつもよりひどい時は逆効果になる場合があるので注意しましょう。
お灸の刺激が強すぎてしまい、かえって疲れを助長てしまうことがあります。
心地良い程度に留めるようにしてください。
おわりに
お灸はセルフでも安全に行える便利なケアの方法です。
リラックスできたり痛みを取り除くなど様々な効果も期待できます。
年配の方を中心に親しまれてきたお灸も今では若い女性にも幅広く使われるようになりました。
現在では、お灸にもいろいろな種類があります。
自分の体や調子にあうお灸を選択しましょう。
好みや使いやすさ、匂いや熱刺激の量からも選ぶことが可能です。
わからない場合は専門家に聞くなどしてください。
お灸で体の調子を整えて健康な毎日を送りましょう。
監修
総合診療医 院長 豊田早苗
専門分野
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会