整体とは?
日本では手技療法を整体と呼ぶことが多く、手技の種類も多様です。ここでは整体の種類をいくつかご紹介します。
整体
整体は日本古来からある柔術と中国の伝統医療がミックスされたものが始まりと言われ、多数の流派があります。代表的な流派は、野口整体、井本整体などです。
よくみかける整体院(多店舗展開している整体)は、多数のスタッフを育成する必要があり、整体技術をマニュアル化して指導していることが多く、伝統的な整体流派とは理論や考え方に違いがあります。
最近では柔道整復師や理学療法士などの国家資格者が独立し、「〇〇整体」といった屋号を使うことも多いです。そのため、伝統的な理論よりも、各個人および団体独自の考えや理論のもと作りあげられた手技で「体を整える」ことを実現している場合が多いです。
国家資格者は定められた国家試験に合格していますが、整体施術がうまいことを保証するものではないと考えられます。
カイロプラクティック
カイロプラクティックはアメリカ発祥の手技療法です。アメリカだけではなく、世界約40ヶ国がヘルスケアの専門職として法制化していますが、日本では整体と同様に法制化されていません。
この手技療法の特徴は、関節、背骨を中心とした調整方法であることです。整体と同様に多数の流派のようなものがあり、多くのテクニックが存在します。アメリカでは、筋骨格系と神経系疾患に特化した医療と定義されています。
オステパシー
オステパシーはアメリカの医師によって創設されました。アメリカでは法制化され、医師と同等の医療行為が認められています。オステパシーの手技療法の特徴は、骨格だけではなく動脈、静脈、リンパなどの循環器系、脳神経系など広範囲にを調整する施術であることです。
日本の整体は民間資格
カイロプラクティックやオステパシーは、アメリカでは法制化され教育機関もしっかりしています。しかし、日本では法制化されておらず、整体と同様に民間資格のため教育水準に差があり、未熟な技術を提供しているケースもあります。
国家資格者が「〇〇整体」と称して開業していても整体技術が未熟なことも考えられます。なぜなら、国家資格を取得するために整体という手技を学ぶことはほとんどないからです。このようなことから、整体院によって効果に差がみられるため、整体院選びはとても重要なのです。
整体の効果
整体は東洋医学、基礎医学(生理学、解剖学など)、循環系、脳神経系など身体の機能を広く整える施術です。そのため、優れた整体師であれば身体に様々な良い影響がみられます。ここでは、一般的にみられる整体の効果をご紹介します。
身体の痛みの緩和
筋肉がコリ固まっていたり、関節が動きにくかったりすると、身体の一部分に大きな負担がかかります。そのことが結果として痛みとして現れることがあります。整体によって筋肉がほぐれ、関節可動域があがることで、身体の負担が分散されると痛みが和らぎます。
姿勢が良くなる
痛みで身体をかばっていると自然に姿勢も悪くなります。そのため、痛みが緩和されると共に姿勢が良くなります。また、筋肉のアンバランスを解消していくことで、姿勢も良い状態を保つことができ、姿勢改善の効果も期待できます。
スポーツのパフォーマンスが上がりやすい
関節の可動域が広がることで、良いフォームで競技を行えたり、痛みをガマンせずプレーできるため、スポーツのパフォーマンスも上りやすいです。
美容効果がある
適切な関節位置に身体が戻ると、O脚やX脚が解消されたり、ウエストが引き締まってみえます。また、一部分にかけていた身体への負担が全身に分散されると、今まで使われていなかった筋肉が使われ、結果として血流が良くなったり、代謝がよくなった結果むくみが解消され、スタイルが良くみえる効果も期待できます。
リラックス効果がある
適切な刺激で身体がほぐれると、副交感神経が優位になり体のリズムやバランスを整える効果があります。
自律神経の調整を行うことで、よりリラックスすることが可能です。
整体の持続期間
整体は魔法ではないため、1度受けただけで全ての効果が永遠に持続することはないでしょう。また、整体をうけたことによる効果の持続期間は、症状や重症度によって違いがあります。
痛みやしびれのある症状であれば、1週間に1~2回ほど通って1~3ヶ月を目安に回復させていきます。症状が一度回復してしまえば、以前のような症状に戻ることは少ないですが、生活習慣によっては再発することもあります。そのため、1~2ヶ月に1回通うことで再発リスクを抑えるようにします。
監修
・総合診療医 院長 豊田早苗
専門分野
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会